
企画の基本趣旨 |
現在大阪芸術大学は、大学外においてさまざまなイベントあるいはアートプロジェクトを展開しています。大まかに分類すると、地元である河内長野、太子町、富田林などにおける企画と、都市部、とくに大阪市内での企画が存在します。いずれもその基本精神は、大学というコミュニティーが地域と孤立して存在しているのではなく、地域と共生する形でこそ存続していけるという思考の転換によって、積極的に地域社会への貢献度を高めていこうとするものです。ただし、あくまで大阪芸術大学というさまざまなアートを主体的に生み出す存在の核心を堅持することは申すまでもありません。単に地域に迎合して企画を展開するわけではないということです。しかし、一方においてアートそのものについての理解が地域社会に十分に浸透しているとは言えない状況があり、これは今後もそれほど簡単に解消されるものではないでしょう。そこで、さまざまな企画の展開は、アートに対する社会の関わり方を改革していくというプラスアルファの地域貢献をも目指すことになります。この場合、作品の作り手、企画の遂行者と地元の団体(大阪市などの大きな団体から本企画の提携相手である喜志駅前商店会などの小規模な団体)、また地元の人々(大阪市の住民、あるいは喜志駅前の商店主、その顧客、喜志界隈住人)との良好な関係の構築が不可欠です。つまり、作り手は作品の受け手との関係を意識しつつ、自らの作品作りの基本的ポリシーを堅持しながらも柔軟に状況に対応する必要があります。
このような基本的な考えの下で、地元との共生を目指すアートプロジェクトとして今年度もArtkish!2009を実施します。今年度の企画趣旨そのものは別紙を参照していただきたいと思いますが、今年度で3年目の企画実施となりますが、HPを充実させるなど、大阪芸大が地域との共生協力に積極的な姿勢を持って臨んでいることを外部に向かって強力に発信していきたいと考えております。また、参加される学生諸君の制作姿勢などもHPを通じて外部に発信していけるような体制を構築していきたいと思います。つまり、passive ではなく active な企画展開へとシフトしていきます。
◆Artkish!2011のテーマは「こだま・だま・だ」です。喜志商店街の氏神でもある美具久 留御魂神社(みぐくるみたまじんじゃ)は、安土桃山時代、「香をたく煙が漂い、儒教の教典を読む声が神山にこだまする一大霊地となっていた」といわれている地です。
その時代の「こだま」は喜志一帯に、音だけでなく、信仰心や念など心にも響いたのではないかと考えます。
そこで、現代を生きる私たちも、私たちの手法で「こだま」を起こし、みんなで喜志全体を響かせようというのが、今回の「こだま・だま・だ」という催しのコンセプトです。
作品自体も、作品を見る側も、作る側も響き合い、共鳴することで喜志全体に「こだま」 を作り出します。東北大震災にも響きますようにと願いを込めて。
◆◆ミグクルミタマジンジャ、なんとも古代風の心地よい響きです。これを万葉仮名風に写すと美具久留御魂神社となるのですが、これがまた実に麗しい。「美」の一文字はおそらく偶然でしょうが、芸大がこの地に招きよせられたのも、ひょっとするとこの「美」という文字の言霊の力かと思うと、古代の霊力は現代になお健在なのかもしれません。
喜志商店街の氏神でもある美具久留御魂神社は、日本書紀にその名がみえ、その由来が記された歴史のある神社です。歴代の天皇の崇敬を集め、南北朝の時代にもそれは引き継がれて、楠木氏の氏神でもありました。神社の由緒書によりますと、安土桃山時代、香をたく煙が漂い、儒教の教典を読む声が神山にこだまする一大霊地でした。その時代、その「こだま」は喜志一帯を穏やかな音で包み込み、人々の信仰心、心の深いところにも響いていたのでしょう。そして、生きることへの根源的な力を発信していたのではないでしょうか。
そこで、現代を生きる私たちも、私たちの手法で「こだま」を起こし、みんなで喜志全体に響かせ、喜志に力をみなぎらせようという思いを込めて、今年のArtkish!2011のテーマを「こだま・だま・だ」というエコー溢れるタイトルにしました。
実は、美具久留御魂神社は天正13年(1585)に秀吉の引き起こした戦いなかで火の手に包まれて灰になってしまいまいしたが、不死鳥のように今日の姿に復活しています。Artkish!2011で展示される作品、作品を見る側、作る側が互いに響き合い、共鳴することで喜志全体に命の「こだま」を作り出しことを願っているわけですが、この「こだま」は、東北の地にも届いてほしいと考えました。Artkish!2011のテーマを「こだま・だま・だ」は、震災の中から復活へと進もうとしている東北の地にもその響きが届くようにとの願をこめたプロジェクトでもあります!
実施内容 |
開催期間 9月25日~10月20日 (喜志商店街展示+学内展示)
① 家下見ツアーの開催(インスピレーションツアー!) 6月17日、18日と7月1日、2日に喜志商店街のお店の中を見回るツアーを開催。場所選び、作品制作にあたってのきっかけを見つけてもらう事を目的としています。
② 商店街の店内外の作品展示10月1日、2日イベント開催日に作品展示を行います。主に、商店街のお店の中や外に立体作品や、絵画、映像、写真等の作品展示を行います。店の要望や作家の要望により様々な形の作品展示となります。
◆作品コンペについて:今年から、作品コンペを行います。展示期間内に、商店街の方や学生、大阪芸大の教授を含め来場者に気になった作品を一人一票投票してもらい、さらに学内展示での芸大教授の審査を総合してグランプリを決めます。グランプリには、賞品を贈呈します。
③ ワークショップの実施10月1日、2日イベント開催日に商店街の駐車場にて、屋外でさまざまなワークショップを実施します。身の回りの素材を使った楽器等を制作する予定です。子供から大人まで、間の学生まで楽しめるワークショップを目標とします。
④ パフォーマンスの実施10月1日、2日イベント開催日に、大道芸や即興演奏等を行います。
⑤ フリーマーケット、模擬店の実施10月1日、2日イベント開催日に商店街の駐車場にて行います。商店街の方や、まちのみなさん、学生などが出店して行います。
⑥ 学内展示 10月17~20日まで大阪芸術大学の体育館ギャラリーにて、報告・作品展示会を行います。
アートキッシュ企画実施:芸術計画学科生 前中梨沙 梅津豪靖 佐々木航大
※大学企画実施監修 芸術計画学科:犬伏雅一